私事で恐縮であるが、『茂木健一郎の脳がときめく言葉の魔法』(かんき出版)という本を出した。言葉には、実際に人生を変える力があると、私は考えている。

言葉が、人間の世界にどのように登場してきたかと考えると面白い。一つの有力な説は、会話は仲間どうしの絆を確認する「毛づくろい」の発展形として進化してきたというもの。お互いに毛づくろいする代わりに、会話を交わすことで、絆を確認するのだ。

人間の脳は、まるでマジシャンの手品のように、自分自身に幻想を見せる。(写真=PIXTA)

ところで、「言葉」には、「魔法」のような力があるということを、科学的な立場から説明すると、つまり言葉にはそれだけの「幻想」(イリュージョン)としての力があるということになる。