禁酒もやむなしの減量の難しさ

イタリア放浪中はパスタばかり食べていた。

パスタ――なんと蠱惑的(こわくてき)な響きであろう。減量中、もっとも警戒しなくてはならないのが、粉系である。小麦粉を原料に用いた食品は総じてカロリーが高い。ラザニア、ラビオリ、ニョッキ、さらにはピザクラスト……。

ダイエットを決意したそのときから、私は粉系を断つ。さらに、断腸の思いで酒も断つことにしている。

1日1800kcalをきちんと守っても、半月くらいは体重計の針(現在はデジタル表示だが)は微動だにしない。ここで、自棄を起こしたり、諦めてはいけない。(以下、個人的な感想です)

体脂肪が消費されるメカニズムについては近年、研究解明が進んでいるようだが、私の体感では、内臓すべてに減量モードを認識させるためにはまず半月くらいかかる。

これまでそれいけドンドン、太れや太れモードでいたのをいきなりリミッターかけ、さあ痩せるんだ、と脳が命じても、はいそうですか、と臓器が従えるものではなく、準備期間が必要ということなのであろう。

肝臓、膵臓などふだんからあまり存在を主張しない臓器の反応は減量においても同様で、まったくわからない。わかりやすいのは、胃で、最初に反応を示す。

胃が絞めつけられるように、きゅうっと痛んだなら、収縮のサインだ。それまで大食用に拡張工事をしていたのが、小食用に切り替えられた合図である。それに呼応して、体重も少しずつ、落ちはじめる。

ここで祝杯をあげたいところだが、ぐっと、我慢、我慢。

酒を断つのは、肝臓を保護する意味もあるが、なにより心理的な弛緩を防ぐためで、ふわっといい心地になって、減量なんてばかばかしい、一度しかない人生、面白おかしくいこうじゃないか、となっちまっては、もう、苦労も水の泡、元の木網なのである。