無料プランの収益源は「接続料」にあり
もう一つ、ソフトバンク躍進の原動力になったのが「通話料無料」だ。ソフトバンクのユーザー同士であれば、深夜1時から夜21時までの通話が無料になっている。
ただ、実際に通話料金明細を見てみると、思ったよりも安くなっていないケースがよくある。
まず一つの理由は、ユーザーが最もゆったりと話したいと思う時間帯は「夜間」であるという点だ。ホワイトプランは夜9時から深夜1時までが無料通話対象外となっており、この時間帯の通話はしっかりと30秒21円が加算されることになる。実際、一般ユーザーの通話のうち、55%が夜間に集中しているといわれている。
もう一つが、電話をかける相手が必ずしもソフトバンクユーザーではないという点だ。ドコモやauのユーザーへの通話は、同じく30秒21円が適用される。契約者数のシェアでいえば、ドコモが5割、auが3割、ソフトバンクが2割となる。シェアが最も少ないソフトバンクのユーザーはそれだけドコモやauなどの他社ユーザーへ電話をする頻度も高い。結果、ユーザーからきっちりと有料通話で稼ぐことができる。
ソフトバンクにお金が落ちるカラクリがもう一つある。「接続料」だ。
キャリア間では通話をつなぐ際に「接続料」が相互に支払われている。ドコモが3分で24.3円なのに対し、ソフトバンクは3分30.57円となっている。つまり、ドコモのユーザーがソフトバンクのユーザーにかける際には、ドコモからソフトバンクへ30円近くのお金が入る。しかし、その逆の場合は24円しか支払われない。ドコモやauのユーザーからソフトバンクユーザーへの通話が多ければ、それだけ収入がもたらされる計算になるのだ。