MVNO、MVNEはなぜ誕生したのか

無線と言う有限リソースを使うことや、救急車等の緊急連絡の時にも「必ず電話が使える」品質を維持するという観点からMNOの参入障壁を下げるということは簡単には許可出来ない。かといってそのままではいずれ競争が停滞する。

MNOの増加以外の方法で、異業種からの携帯事業の参入障壁を低くし競争を活性化させることで通信業界をより発展させようという狙いから生まれたのが、MVNOだ。日本では、日本通信が2001年にMVNO第1号としてサービス提供を開始した。

とはいえ、MVNO事業を行おうと思っても簡単になれるものでもない。MNOと比較すれば、MVNOになるのは確かに簡単だが、それでもMNOの無線設備と接続するための通信設備の一部を準備しなければならない。MNOほどではないが、MVNOとなるにも設備負担や無線通信に関するノウハウが必要になるのだ。

MVNOをやりたいけれども、無線通信のノウハウがないといった事業者がMVNOになるのをサポートする事業者がMVNEだ。MVNEの登場で、インターネットサービスプロバイダーなどがMVNO事業者としてサービス提供を行えるようになった。

このような経緯があり、モバイルを提供する事業者の顔ぶれが拡がり、多様なサービスメニューや価格競争によってMVNO市場が活性化することになった。