MVNO利用に落とし穴はないか
上手に使うと通信費を賢く節約出来るMVNOだが、いくつか注意する必要がある点をピックアップした。
・通信速度制限
前述した通り、通信速度制限や月当たりで利用可能な通信容量制限が設定されていることがほとんどだ。利用方法によってはMNOを利用したほうが安くなるということもあり得る。自分のスマホ利用方法を理解しておくといいだろう。
追加料金を払うことで通信速度制限を一時的に解除する「ターボモード」を選ぶと、地図などを利用する時だけ高速通信を行えるMVNOもある。地図アプリによるナビゲーションをよく利用する人は「ターボモード」が有るMVNOを選択するといいだろう。
・音声通話
MVNOの提供携帯によっては音声通話がサポートされていないものもある。それでもLINEなどのIPネットワークを利用した無料の通話アプリを使うという手もあるが、音声で会話を楽しみたいという人は、回線交換方式の音声通話をサポートしているタイプのMVNOを選ぶといいだろう。
・サポート
MVNOの場合には通信異常や通話トラブルが発生したとしても、基本的には「自己責任」となることも気をつけなければならない。例えば、SIMは日本通信のb-mobileを利用し、端末は自分でSIMフリー端末を購入している場合、トラブル発生時には通信回線と端末で別々の場所に問い合わせる必要がある。また、どちらが悪いのかを自分で調査する必要もある。
端末から回線まですべてを提供するMNOであれば、何か異常を感じた時に問い合わせる先は1つだけだった。頻繁に携帯キャリアに駆け込んでいた人には、MVNOは少しハードルが高いかもしれない。
賢く使って毎月3000円節約できれば、年間3万6000円の節約となる。消費税増税を契機に節約を考えている人には、一考の余地は十分にあるといえるだろう。
大元隆志(おおもと・たかし)●1974年生まれのITビジネスアナリスト。99年、伊藤忠テクノソリューションズ(現)入社。以来14年間、通信事業者のインフラ設計、提案、企画を担当していたが、現在はエンタープライズ分野でのデジタル・マーケティング領域の開拓を担当。多くのIT系メディアに記事を寄稿し、講演も多数こなす。「ITの潮流から時代の変化を読み解く」ことを得意とし、新たなプレイヤーの登場を一早く察知、次の時代に勝つルールを解説する。主な著書として『ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦』『ソーシャルメディア実践の書』など。メディアサイト ASSIOMAを運営。
http://www.assioma.jp
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