どうして安くなるのか
メーカーと卸売り業者の関係で例えると、わかりやすい。MNOはメーカーで、MVNOは無線周波数帯域を10Mbpsあたりでいくらといった「束」で買い取る、卸売り業者なのだ。
メーカーから卸してもらった帯域を、ユーザーに安く小分けする。MNOから10Mbps卸してもらい、それを1人100Kbpsで売れば、単純計算で100人の顧客を収容することができる。
高速な帯域を存分に使いたければMNO、使える帯域に制限はあるけれど安いほうがいいという人にはMVNOといったように、自分の利用方法に応じて料金プランを選べるようになった、ということだ。
しかし、MVNOが流行ってくるとメーカーであるMNOが、MVNOに対して利用料を値上げしてくるのではないかと疑問に思う人もいるかもしれない。そこについては問題ない。
MVNOはモバイル市場の活性化を目的として生まれたため、MNOがMVNOに対して高額な回線利用料を請求しないように、総務省がガイドラインを定めている。このガイドラインにより、MVNOの回線利用料は定期的に見直されている。
MNOの設備が技術革新によって卸価格を引き下げられる状態になれば、値下げも行われる。2014年3月24日、NTTドコモはMVNO事業者向けに設定している携帯電話通信のパケット接続料金を最大56.6%値下げすると発表した。