“太もも”を中心とした下半身の強化を説いた健康法が、幅広い男女から高い支持を得ている。静脈の血液を上半身に押し上げるポンプである“太もも”は「第二の心臓」と呼ばれ、健康や長寿の秘密が隠されている。また“太もも”などの下半身の強化は、肩こり・腰痛・高血圧・糖尿病・狭心症・便秘・不眠などの症状の改善につながり、さらに太らない体質を作りダイエットにも大きな効果がある。大ヒット書籍『太ももを強くすると「太らない」「超健康」になる』の著者で、ウォーキングの第一人者、東京学芸大学名誉教授・医学博士の宮崎義憲氏が、手軽に出来る簡単体操を交えながら独自の“太もも健康法”を語る。
元気に暮らしていくために絶対に必要な部分。それは丈夫な骨です。
残念ながら、年齢とともに骨は確実に弱くなります。骨密度が低下し、脆くなっていく傾向にあるからです。
骨粗鬆症になって骨が折れやすくなってしまう場合もあります。ちょっと転んだだけで足や腰の骨が折れて、歩行が困難になったりする場合も少なくありません。
したがって、年齢があがるにつれて、骨密度の低下を抑え、できれば少しでも骨密度を増やして、丈夫な骨を作ることを心がけなくてはなりません。
カルシウムをはじめ、さまざまな栄養を適切に取るようにしましょう。
しかし栄養だけでは不十分です。
丈夫な骨を作るには運動による「重力の骨への刺激」が欠かせません。
骨は血液が運んでくるカルシウムを吸収する骨芽細胞と骨の中の使い古したカルシウムを破壊して血液中に放出する破骨細胞によって、絶えず新陳代謝を繰り返しています。
運動などをして骨に重力の負荷をかけるとカルシウムを呼び寄せる電気エネルギーが骨に発生し、骨を作る細胞が働きやすい状態になってカルシウムの吸収を促すのです。
地球上に暮らしている生物は重力の影響を受けて生きていることになります。しかし、この重力の影響が少なすぎると骨を作るためのカルシウムが吸収できなくなり、加えて骨の中の古くなったカルシウムは血液中に溶け出して体外に排泄されてしまうので骨は次第にやせ細っていきます。