“太もも”を中心とした下半身の強化を説いた健康法が、幅広い男女から高い支持を得ている。静脈の血液を上半身に押し上げるポンプである“太もも”は「第二の心臓」と呼ばれ、健康や長寿の秘密が隠されている。また“太もも”などの下半身の強化は、肩こり・腰痛・高血圧・糖尿病・狭心症・便秘・不眠などの症状の改善につながり、さらに太らない体質を作りダイエットにも大きな効果がある。ヒット書籍『太ももを強くすると「太らない」「超健康」になる』の著者で、ウォーキングの第一人者、東京学芸大学名誉教授・医学博士の宮崎義憲氏が、手軽に出来る簡単体操を交えながら独自の“太もも健康法”を語る。
腰痛を防いだり、改善するためには腰の筋肉を適度に刺激することが大切なので、30分程度は速足で歩きましょう。
速足の目安は男性では1分間に100メートル以上、女性は80メートル以上歩くこと。
ちなみにこのスピードで30分歩くと約180キロカロリーが消費されます。つまり肥満の防止や解消にも効果があるのです。肥満は腰への負担を増やす、腰痛の原因の一つ。30分の速足は腰のマッサージと腰痛の原因となる肥満防止という両方の効果があるのです。
重要なポイントは、30分程度続けないと、腰痛改善には十分な効果が発揮できないということです。
歩き始めて約10分たつと心拍数が上がり、血行が良くなり、体温も上昇し始めます。この状態になって初めて、身体が運動の効果をスムーズに受け入れることができるようになるのです。
速足歩きだけでも腰痛退治に効果的ですが、速足歩きに「つま先歩き」を加えるとさらに効果が増します。
つま先歩きは、健康を支える筋肉・遅筋繊維(赤筋)を鍛える運動です。基礎運動として優れているだけでなく、腰痛のような中高年の方に多い悩みにもピンポイントで効くのです。
ちょっとつま先立ちしてみてください。ふくらはぎが引っ張られるような感じになりませんか? つま先立ちすると、ふくらはぎの筋肉が鍛えられるのと同時に、日常生活ではあまり使わない殿筋(お尻の筋肉)やすねの前面にある前脛骨筋、さらに腹筋も鍛えられるのです。