この件に関して、アメリカで行われた実験で「骨への負荷」を与えるためには、1日3時間以上は立ったり歩いたりする生活が必要だということが立証されました。
どんな実験だったかというと、健康な3名の成人にそれぞれ、
・1日中ベッドに寝ている。
・ベッドに寝たままで手足を動かす。
・ベッドに座って手足を動かす。
という条件で過ごしてもらい、それぞれの人の骨量を調べたのです。
結果はどうだったでしょうか。
数日間にわたってカルシウムの増減を調べたところ、3名とも毎日約200ミリグラムずつのカルシウムが骨から失われていることがわかりました。
1日中ベッドで過ごすのであれば、そこで身体の一部を動かしたところで骨の形成には役に立たないということが明らかになったのです。
この実験ではさらに同じ3名に1日3時間だけ立って動く時間を与え、他の21時間は先ほどと同じようにベッドで過ごす生活をしてもらいました。その結果、今度は3名ともカルシウムの減少は起こりませんでした。
この実験結果からもわかるように、丈夫な骨を作るためには、少なくとも1日3時間は立ったり歩いたりして、重力の負荷のかかる生活をしなくてはならないということです。そうでなければ、骨はどんどん弱っていくのです。
ということは、家で1日中、茶の間に座って過ごす生活は、骨にとって非常に良くない生活ということになります。
日常生活の中で1日3時間立つか歩くかということは容易なことではありませんが、外出時や家事などでこまめに立ち、歩くことを心がけましょう。そして、丈夫な骨をせっせと作るようにしましょう。
※本連載は『太ももを強くすると「太らない」「超健康」になる』(宮崎義憲 著)からの抜粋です。