一年以内の死亡リスクは、骨折していない人と比べて男性で3.7倍
とはいえ、たかが骨折――。骨が折れてもしばらく固定していれば、元通りになると軽く考える人もいるかもしれない。
だが、年をとるほど一度の骨折が健康寿命を縮め、場合によっては「命取り」になってしまうのだ。その代表的例が「大腿骨骨折」だ。大腿骨とは太ももに入っている大きな骨のこと。大腿骨を骨折すると、一年以内の死亡リスクは、骨折していない人と比べて男性で3.7倍、女性で2.9倍も高まる。
だから高齢者は骨折をしないことが非常に大切で、そのために有効とされるのは中年期からのビタミンD、カルシウムなどの栄養素の摂取や、骨にストレス(衝撃)を与える運動だ。だが、まずは「笑う」生活から始めても、心身ともに良い作用があるかもしれない。
笑わない生活を送っている人は骨折しやすい可能性
ただし、「私の研究には弱点がある」と山岸医師。
「これは観察研究というものですが、因果関係を証明するためには、介入研究を行わなければなりません。今回なら研究対象者にリラックスさせるような指導を行うグループと、リラックスさせないグループとを作って比較し、リラックスさせるような指導を行ったグループではAGEが減少し、かつ数年後に骨量や骨質が維持されているなどの結果を得なければ、信頼性は高まりません」
そのため今回は、あくまで他の多くの専門家の研究データも合わせて考慮すれば、と前置きしつつ、山岸医師がこうまとめる。
「笑わないような生活、ストレスを抱えていればAGEが蓄積される、蓄積されると骨がもろくなる。AGEと骨折には深い関連があり、数多くの論文でAGEが蓄積されている人ほど骨折しやすいことが証明されています。だから転んだときに健康であれば骨折しないようなケースでも、笑わない生活を送っている人は骨折しやすい可能性があるということです。反対によく笑い、リラックスする時間を持つことで老化物質のAGEの蓄積が抑えられることが期待できます」
骨折だけでなく、“老けないため”にも今日から「笑い」を大切に。
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