大切な家族を預ける老人ホームを、どのように選べばよいのか。老人ホームコンサルタントの小嶋勝利さんは「料金や設備、立地だけでは施設の良しあしは分からない。入居を決める前に、少し違った角度から施設を見てみる必要がある」という――。(第2回)

※本稿は、小嶋勝利『入ってはいけない老人ホーム』(SB新書)の一部を再編集したものです。

介護施設の多目的室
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「正看護師募集」「経験不問」は要警戒

老人ホームを検討する際、多くの方は、ネットなどで空室をはじめとする情報を検索します。しかし私は、その前後で、求人サイトや広告で当該ホームの求人情報を確認する必要があると考えています。

そして求人情報に、「正看護師募集! 経験がなくてもOK! 子育てなどで長いブランクがあってもOK! 先輩看護師が丁寧に指導します」などといった謳うたい文句がある場合、その老人ホームへの入居には慎重になっていただきたいと思います。

介護保険法上、老人ホームには看護師の配置基準があるので、看護師が必要です。看護師の配置基準には、正看護師や准看護師の資格基準は明文化されていますが、当該有資格者のスキルや能力については、明文化されていません。つまり、ほとんど実務経験のない看護師であっても、配置上、問題はないのです。

初心者マーク
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したがって、先ほど挙げた謳い文句の広告は、「何でもいいので正看護師の有資格者が必要だ」という求人広告として私には映ります。

資格だけでは務まらない介護現場

私は老人ホームの看護師は、ある意味、病院の看護師よりも難易度が高いと考えています。医師が常時そばにいないからです。病院の場合、何か異変があれば「先生!」と言えば医師が必ず診てくれますが、老人ホームではそれは望めません。

私は多くの老人ホームで看護師たちとたくさんの話をしてきましたが、腕に自信のない看護師は、ホームという医師のいない環境下で、一人で看護業務をすることに対し、大きな不安と緊張感を持って仕事をしています。

老人ホームで働く看護師は次のように言います。

「入居者に何かあったら、私の責任になります」と。もちろん、組織上は老人ホームの責任者はホーム長や施設長ですから、看護師が矢面に立つ必要はありません。しかし、医療の専門家という意味では、老人ホームの場合は看護師しかいないのが普通なので、このような意識を持つに至るのでしょう。

「老人ホームは病院ではないので重症患者はいない。ならば、看護師資格さえ持っていれば、それで十分ではないか」と考える方もいるのではないでしょうか? しかし、私はそのような方に「何言っているんですか! 逆ですよ」とお伝えしたいです。

近くにすぐに相談できる医師のいない老人ホームの場合、ある意味、病院で働く看護師よりも臨床経験や知識、そして何より度胸や強い意志がないと務まりません。

これが現場の真実です。「資格さえ持っていれば誰でもOK」という意識の老人ホームは、現場をなめていると思います。もっと言えば、人の命を軽く見ているのかもしれません。

もう一つ、求人サイトや広告で確認しなければならないことがあります。