老人ホームを選ぶ際、何を基準にすればいいのか。老人ホームコンサルタントの小嶋勝利さんは「費用は重要な判断材料だが、月額料金の安さだけで選んではいけない。基本料金に何が含まれているのか、追加料金がどれだけ発生するのかまで確認しないと、入居後に想定外の負担が生じることがある」という――。(第1回)

※本稿は、小嶋勝利『入ってはいけない老人ホーム』(SB新書)の一部を再編集したものです。

ナースコールボタン
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ナースコール「1回10円」取る老人ホーム

老人ホームを選ぶ際、費用は極めて重要な指標です。しかし、費用だけで老人ホームを決めてしまうことは非常に危険です。

一つ目の理由は、各種生活支援業務をひとまとめにした料金体系になっているか、別料金になっているかを正確に把握する必要があるからです。私が実際に見た事例をお話ししましょう。

月額利用料金が周辺相場と比較し、3万円程度安い老人ホームのケースです。相場より3万円も安いので、当然、多くの入居希望者が集まりました。しかし、この話には落とし穴があります。多くの老人ホームでは月額利用料金の中に含まれていたサービスが、当該ホームでは、すべてオプション料金になっていたということです。

極めつけは、ナースコール1回10円というルール。

嘘みたいな話ですが、本当にあった話です。認知症などで、ナースコールを用もなく何十回も押す入居者は決して珍しくはありません。仮に1日100回、毎日だとすると、1カ月で3万円になります。これだけで、相場の料金と同じになってしまいます。

「おむつの交換」で揉めるケースも

さらに、通院同行は1回1万円、レクリエーション参加費用は1回500円、おむつ代は1枚300円、日々のちょっとした買い物(お菓子やコーヒー、紅茶など)の料金もコンビニエンスストアの価格の25%増しという感じだったとすると、結果的に相場よりずいぶん高くつくということもあり得るわけです。

なお、おむつ代が老人ホームから有料で販売される場合、次のような事件が頻繁に起きます。

それは、1日当たりおむつを何枚までしか使わないというルールです。老人ホーム側は1枚でも多く使えば売上が上がります。入居者側は1枚でも少なくすれば負担が減ります。そこで、せめぎ合いになるのは、「この程度の汚れでおむつ交換をする必要があるか」という場面です。

おむつパッドを抱える高齢者
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