聞き直すときは“時間への配慮”から
しかし、現実には、指示内容が曖昧なまま仕事を進めれば、その後の業務に支障が出る可能性が高くなります。
自分なりの解釈で進めた結果、上司の意図とはまったく違う方向へ仕事が進み、気づいたときには修正に多くの時間と労力がかかることも少なくありません。そして、その状態で受ける叱責や評価への影響は、「何か質問ある?」と聞かれたときに勇気を出して質問した場合よりも、はるかに大きくなってしまいます。
だからこそ、一度「大丈夫です」と答えてしまったとしても、疑問が生まれたのであれば、できるだけ早い段階で確認することが大切です。
【上司の思い:余計な時間は取りたくない】
この場面で上司が最も強く感じているのは、「上司である自分の都合」です。上司は、多くの仕事を抱えながら時間に追われています。そうした中で、部下が困らないように時間を割いて業務を説明したのだから、「もう一度最初から説明するために、さらに時間を取られたくない」というのが本音なのです。
もちろん、部下が理解できていないのであれば、説明し直すこと自体は上司の役割です。
しかし、忙しい状況であればあるほど、「また説明しなければならないのか」という気持ちが先に立ってしまうことは珍しくありません。
したがって、このケースで枕詞を考える際のポイントは、「上司の時間を再びいただくことに対して配慮している」という姿勢を最初に伝えることです。枕詞でまず上司の都合や負担を理解していることを言葉にしてから質問に入ることで、「自分の時間を軽く考えているわけではない」というメッセージが伝わります。
①「なんで聞かなかったの」を先回り
【型1:上司から言われたくないこと、思われたくないことをあえて先に言う
《「なんでさっき聞かなかったの?」と言われるかもしれませんが》】
これは上司に「ちょっと質問よろしいですか?」という声かけをした場合、ストレートに返ってきそうな言葉を枕詞にしています。上司の心の声を代弁することで余計なひと言をもらわずに済みますし、上司の心境としても「部下も悪いと思っている」と感じるので対応が柔らかくなります。
使用イメージ:
「なんでさっき聞かなかったの?」と言われるかもしれませんが、改めて疑問が出てきたのでいくつか質問させていただけませんか?
枕詞に続けて「改めて」という言葉を入れることで、「いい加減な姿勢で聞いていたわけではないんだな」「よくよく考えたうえでのことなんだな」という印象を与えることができますので、部下としては安心して質問ができる状況をつくれます。
【同様の枕詞】
・「今頃聞くの?」って思われるかもしれませんが
・「さっき、『質問ある?』って聞いたよね?」って言われそうですが

