人付き合いも、予定も、欲張らなくていい

80代になると、エネルギーには限りがあることが、はっきりわかります。

今日は、買い物に行くだけで精一杯の日。

病院に行ったら、もう他の予定は入れられない日。

人に会ったら、そのあとはひとりで静かに過ごしたい日。

だからね、人付き合いも、予定も、欲張らなくていいの。

それは、後ろ向きでも消極的でもなく、ひとり暮らしを長く続けるための知恵なんだと思うわ。

買い物一つとっても、80代になると、ちょっとしたエピソードが山ほどあるのよ。スーパーで買い物をして、レジを済ませ、袋を持って外に出てから、「あれ、財布はどこだっけ」。

よく見たら、しっかりバッグの中に入っていて……。「ああ、ちゃんと払ってたのね」と、ひとりでうなずいたり。

家に帰って冷蔵庫を開けたら、同じ豆腐が3丁も並んでいて、「あら、わたし、豆腐屋さんになる気だったのかしら」なんて笑ってしまったり。

でも、こういう失敗は、誰にも迷惑をかけていないし、むしろ自分で笑えるぶん、まったく罪がないわ。

「笑える」というのが、とても大事

老いの失敗談も、80代になると、だんだん増えてきます。

メガネをかけたままメガネを探すなんてことは、もう日常茶飯事よ。

最近では、「またやってるわ」と自分でツッコミを入れられるようになりました。

頬に手を当てて苦笑いする高齢女性
写真=iStock.com/pain au chocolat
※写真はイメージです

電話で話していて、人の名前がどうしても出てこなくて、「ほら、あの人、あの髪の長い……」といっているうちに、話題が変わってしまったり。

洗濯機を回そうとして、洗剤を入れ忘れ、終わってから「あら、泡が立ってない」と気づいたり。

でも、こういう失敗を、「情けない」と思わなくなったのは、大きな変化だわ。

若いころなら、「ちゃんとしなきゃ」と自分を責めていたと思うの。

今は、「まあ、そんな日もあるわね」と、少し笑えるのね。

この「笑える」というのが、とても大事なんだと思っているわ。笑える失敗は、人生をやわらかくしてくれるんだもの。ふふっ。