逃げ回る日本政府、高齢化する拉致家族
――猪木議員が再び訪朝したことについて、古屋拉致相は「(北朝鮮の)コマーシャルに使われた感じがする」と今年1月17日の記者会見でコメントした。さらに、「問題解決に資する交渉ならば応じる用意があるが、話し合いのための話し合いは意味がない」と発言。「拉致解決のためにあらゆる可能性を排除しない」と、拉致解決に積極的ともとれる発言を繰り返す安倍政権だが、日朝交渉が一歩も動いていない現状には、拉致被害者家族を中心に失望感が広がっている。中韓には条件なしの首脳会談を求めるのに対し、日朝首脳会談には種々の条件をつけて進展させない安倍政権に対して、関係者は怒りを隠さない。
【猪木】もちろん、訪朝したからといってすべてがうまくいくわけではないし、成果が得られないこともあるでしょう。となると、選挙への影響を考えて腰が引けてしまう政治家は多い。
しかし、拉致家族も高齢化し、みな一様に健康にも不安を抱えている。このままでは北朝鮮に拉致された家族との再会を果たせない人がどんどん増えてしまう。北朝鮮に対して、制裁一辺倒で本当に正しいのか疑問に思う家族も多くて、非公式に私のもとへ相談にくる。表立って会いにこられないのは安倍総理への遠慮がおそらくあるのでしょう。それは古屋担当相も同じです。
私は、思い切って横田夫妻に訪朝していただくのも一つの有効な手段だと考えています。北朝鮮と対話のドアが開き始めているんです。