100種類以上のサイドメニュー

一方、ファミリーユーザー目線では、はま寿司の実用性とコスパのアピール力が極めて高い。はま寿司のサイドメニューは、どこの店舗でも常時100種類を超える圧倒的な品数に達する。寿司に飽きた子供がお菓子などを食べる間、親がちょい飲みの肴にできるメニューも少なくない。

ファミリー層に人気の「はまっこセット」。専用ガチャマシーンのコインが付いてくる
筆者撮影
ファミリー層に人気の「はまっこセット」。専用ガチャマシーンのコインが付いてくる

生食ゆえに一定の廃棄が避けられない寿司・刺身に比べ、加熱メニュー中心のサイドメニューは冷凍食材を使用できるため、廃棄率を抑えられるなど総じて利幅が厚い。加えて、ハイボール・サワーなどのアルコール飲料の利益率も極めて高い。

筆者が訪問した9月初旬の13時過ぎにも、秋葉原駅付近のはま寿司の店舗で、サイドメニューとともにちょい飲みを楽しむ人たちを何組も見かけた。テーブル利用で他者の目線を気にすることなく昼間から楽しむこうした顧客が、客単価や利益率を引き上げていると考えられる。

さらに、はま寿司も子供向けのおもちゃの提供を行っているが、スシローの「だっこずし」ゲームやくら寿司の「ビッくらポン」のように射幸性を煽るゲーム仕様ではなく、セットメニューを注文すれば確実にもらえる仕組みを採用している。

筆者が訪れた店舗では、指人形とラバーシールの2機からガチャが選べた
筆者撮影
筆者が訪れた店舗では、指人形とラバーシールの2機からガチャが選べた

ファミリーに安心感を与える実用性

家族来店者目線でも、子供用椅子・食器の用意やタッチパネルへのアレルゲン情報表示など、地味ではあるものの実用性を意識したサービスがみられる。こうしたエンターテインメントよりも価格・実用を重視した全体像は、親側に「いつでも行きやすい」安心感を与えている。

さらに、はま寿司が見据えるのはファミリー層だけではない。1人でも来店しやすいよう、カウンター席に曇り付きの半透明な仕切り(パーテーション)が設置されている。

はま寿司の1人客向けの仕切り(パーテーション)
筆者撮影
はま寿司の1人客向けの仕切り(パーテーション)

他社でもコロナ禍以降、仕切りを設置する店舗は増えているが、はま寿司は隣の人の顔や手元を視覚的にしっかりと遮断する。これは、訪日外国人客にも人気のラーメン店、一蘭の「味集中カウンター」と同様に、他者の視線によるストレス軽減を目的としたものと思われる。

1人客は注文が早く、滞在時間も短い。さらに、自身の意思だけでリピートできるため来店頻度も高まりやすい。中休みなしの「通し営業」が基本の回転寿司にとって、1人客を囲い込むことは隙間時間の稼働率を底上げする強力な一手となる。

こうした戦略は相応に浸透している模様で、9月4日(金)の13時を挟んだ前後30分、秋葉原駅付近の店舗に出入りする顧客を目視確認したが、来店者に占める単独・複数の割合は前者がやや上回っていた印象を受けた。