スシローを上回る利益率のカラクリ
加えて、はま寿司のシステム化は業界内でも抜きん出ている。
外食産業に造詣の深い専門誌『飲食店経営』の毛利英昭編集長は、「外食産業内で幅広くみられる『人が育たないと店を増やせない』というこれまでの概念を捨て、システム産業と割り切っている」「高速ストレートレーン、セルフオーダー、セル会計など顧客接点部分だけでなく、厨房のロボット活用など調理、発注、在庫管理、勤怠管理などを徹底的にシステム化することで人手不足の中にあっても高い出店ペースを維持してきた」と語る。
一見しただけでは外部からはわかりにくいが、外食コングロマリットならではの強みも活かされている。
「何と言っても一番はチェーンストアと同じ、スケールメリットを活かしたセントラル・バイイング(集中仕入)による調達力が強く、それによって調達コストを抑え、品質アップを図る努力を重ねてきた。規模が大きくなることで、1店当たりのマージン(粗利益)が下がってもチェーン全体規模での収益力は上がっている」(毛利編集長)
それらの効果が、「スシローを上回る利益率の高さ」に表れた形だ。
「ファミレス化」にどう対応するか
回転寿司が外食の主役の1人に躍り出た背景には、利用時の単価がある。ゼンショーHD内でも、売上トップだったすき家事業の店舗数は2650店である一方、はま寿司は862店と3分の1(32.5%)に過ぎない(2026年3月末、国内と海外の合計)。回転寿司の来店客数が牛丼店の3倍に達しているとは考えにくいため、それだけ回転寿司の利用単価が高いことを意味している。
客単価を引き上げるためには、「いかにもう一皿を食べてもらうか」、あるいは「いかにリピートしてもらうか」がカギとなる。近年の回転寿司は、ファミレス化が著しいと言われるが、ここでも両社の戦略に明確な違いが認められる(図表4)。
ひとことで言えば、「本格化&期間限定フェア」のスシローに対し、「定番&コスパ」のはま寿司だ。
スシローの(全国のラーメン店ほか)名店とのコラボや、タレントのギャル曽根さん開発のデカ盛りパフェなどは、若年層のデート利用などのニーズが見込まれる。また、スシローは「だっこずし」などのキャラクターやゲーム要素を取り入れ、エンターテインメント性で来店を誘致している。
![【図表4】回転寿司大手3社の家族顧客取込み策[概要]](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/f/5/540wm/img_f52498935dc312937d9fdb95bb12b581624028.jpg)

