「子供が鉄鋼労働者になりたいと言っている」

モンバレー地域で最も南に位置するクレアトン・コークス工場で、製鉄高炉の高温維持に欠かせない石炭の焼成物であるコークスの生産に30年以上携わるリチャード・タイキー労組委員長は、「日本製鉄が20億ドル(約3135億円)かけて熱間圧延施設を完成させて、その10年後に閉鎖するなんて、あり得ないね。(10年をはるかに超えて)操業し続けるさ。俺たちがここで働いてきた雇用機会を、若い連中に引き継げるということだよ」と語る。

同氏は、「数年前にはなかった、『未来がある』という感覚があるんだよ」と告白した。

エドガー・トムソン工場で作られた鋼板(スラブ)をコイルやシート状に加工して仕上げるアービン工場が位置するウェストミフリンのクリス・ケリー市長も、日本製鉄のコミットメントを高く買っている。

同市長によれば、ウェストミフリンの子供の父親や母親たちが、「うちの子が将来、アービン工場の鉄鋼労働者の職に応募したいと話している」「雇用の安定ができた」と報告を寄せている。日本製鉄は子育て世代に至るまで、地元の人たちに未来の希望と安心を与えている。

「アメフトチームへの寄付」で地元に溶け込む

日本製鉄は、雇用の安定を生み出すだけではなく、地元高校のアメリカンフットボール部の筋力トレーニング用のマシンルーム新設に40万ドル(約6300万円)を寄付し、さらに50万ドル(約7850万円)を地区の高校生向けアメフト競技場の整備に拠出するなど、「地元企業」としての貢献を行っている。

そうした施設でアメフト競技を通して鍛えられた若者たちの一部は、将来USスチールに入社して、現場労働者になるだろう。

ちなみに、USスチールのお膝元ピッツバーグは、NFLの人気チームであるスティーラーズの本拠地である。スティーラーズとは言うまでもなく、「鉄鋼労働者」を意味するチーム名だ。