甘いジュースの正体は果糖と砂糖
一方、この食品は、砂糖を50%以上含むことから、砂糖がストレスホルモンを減らしている可能性もある。砂糖には、抗ストレス作用がある。何しろGABAの180倍ほどの砂糖が含まれている。
百歩譲って、GABAがストレスを減らしていることを認めるとする。その場合であっても、砂糖の毒性は、まったく隠せるものではない。食品の50%を占める砂糖による毒性と、0.28%ほどのGABAの作用との、どちらが生物にとって影響が大きいかは、すぐにわかる。
これに対して、食品会社はこのように反論するだろう。「砂糖は、今まで長い食経験があるから、安全性が担保されている」。
とある清涼飲料水のパッケージの裏側にある「原材料名」表示を見てみよう(図表2)。
この食品の成分の第1位は、果糖ブドウ糖液糖(異性化糖の1種)で、その次が砂糖である。その下の2番目の段には「/(スラッシュ)」がある。
この記号には、大切な意味がある。このスラッシュの後は、含量としては桁が何個も落ちることを示している。たとえば、数グラム(g)オーダーから、数ミリグラム(mg)オーダーになる。つまり、この清涼飲料水は、異性化糖と砂糖でできているといえる。
健康的に見えて、肝臓に脂がたまる
清涼飲料水で注意すべきは、その含量である。「栄養成分表示」は100mLあたりの量である。500mLのペットボトルの清涼飲料水を1本飲めば、表示の5倍の量である56.5gの異性化糖と砂糖が体に入る。
しかも、清涼飲料水は続けて飲みやすいという性質がある。「60g近い異性化糖と砂糖」の中には、30g近い果糖が含まれている。果糖は肝臓に集中するから、これを毎日飲めば、肝臓に広範な脂肪が沈着する。これを見れば、食品会社に良識など期待できないことがわかるだろう。
もう1つ、異性化糖を多く含むものの代表格であるスポーツドリンクを見てみよう(図表3)。
このスポーツドリンクの正体は、果糖である。原材料名でスラッシュの前にあるものは、果糖、果汁食塩である。「栄養成分表示」を見ると、少なくとも90%以上は果糖であることがわかる。果糖をそのまま飲むのとほとんど変わらない。そのあとに書かれているものは、数ミリグラム程度のものである。だからここでは取り上げない。
「果糖」とは、異性化酵素(※1)の反応を最終段階まで進ませて、すべてのブドウ糖を、果糖に異性化したものだ。
果糖は、数ある異性化糖のなかで「最終兵器」というべきものだ。脂肪肝の誘導を起こす最強の物質である。これより強く脂肪肝を誘導する物質は、食品中に存在しないだろう。果糖は最も危険で避けるべき物質である。
夏の暑い日に、果糖だけでできているスポーツドリンクを、幼い我が子に与える母親の姿をみると、著者は心が痛む。
(※1)異性化酵素:ブドウ糖を果糖に異性化する酵素。異性化糖を工業的に生産するときに用いる。
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