「栄養成分」と「原材料」を照らし合わせる

原材料名の部分は、成分の多い順番に書く。いちばんはじめに「砂糖」と書いてあれば、砂糖が最も多い成分であることがわかる。「この食品10gあたり何gの砂糖が入っているのだろう」と、消費者は気になる。

私は食品会社に直接電話して、何g入っているか聞いたことがある。企業秘密で、開示することはできないという返事だった。

消費者は、自分が強いストレスに囲まれていると思っている。午後に疲れを感じたとき、このチョコレートのパッケージの「おもて面」を見て、ついつい手がのびる。気持ちはわかる。ただ甘いだけのチョコレートを食べるよりは、「ストレスを軽減する」と書いてあった方が、少しは罪悪感が軽減されるのだろう。

だが、このとき「うら面」を見て、少し考えてほしい。

右側にある「栄養成分表示」を見ると、この食品は、ほとんどが「炭水化物」と「脂質」であることがわかる(図表1)。

次に、左にある原材料名表示を見て、これに当てはめると、「炭水化物」にあたるのは、砂糖、デキストリン(デンプンを酵素で分解し低分子化したもの)。「脂質」にあたるのは、カカオマス、植物油脂、ココアバターである。多くの食品で3位までが成分の大部分を占め、4位以下のものは、わずかしか含まれない。

チョコレート
写真=iStock.com/PLAINVIEW
※写真はイメージです

体に良い成分は少ししか入っていない

だからデキストリン(炭水化物)およびココアバター(脂質)はあえて無視してよいだろう。炭水化物の5.4gは、ほとんど砂糖だと推定できる。また脂質は、カカオマスと植物油脂でほぼ3.8gであると考えてよい。炭水化物とタンパク質は1gあたり4キロカロリー、脂質は1gあたり9キロカロリーにあたる。

この食品10gでは、砂糖が5.4gで21.6(=5.4×4)キロカロリーの熱量となる。

同じくこの食品10gでは、カカオマスと植物油脂が3.8gで34.2(=3.8×9)キロカロリーの熱量。

同じくこの食品10gでは、タンパク質が0.6gで2.4(=0.6×4)キロカロリーの熱量となる。

合計すると58.2キロカロリーとなり、「栄養成分表示」にある58キロカロリーとほぼ一致する。

スーパーでじっさいに食品を見たときには、正確性はある程度無視しつつ、このように概算できる。

この食品はGABAを0.143g含んでいる。これは食品全体の0.28%に相当する。この食品を食べれば、ストレスが少しは減少するかもしれない。GABA自体にそのような作用があることは、よく知られた事実である。