「大盛り無料」へのスマートな返答

ここで、もう一人の先輩木村さんの話をさせてください。

木村先輩は、長谷川先輩と同じように激務をこなし、会食にもよく来るのに、いつも体型がシュッとしている先輩です。

木村先輩はストイックに飲み会を断るようなタイプではなく、美味しいものもお酒も大好きで、飲み会の場を全力で楽しむ人でした。

ある日、長谷川先輩と木村先輩を含む数人で、おかずが美味しくてボリュームのある定食屋に入ったときのことです。

店員さんが「ご飯、大盛り無料です」と言いました。

長谷川先輩は迷わず、「じゃあ大盛りで。無料なんだから。せっかくだし」と笑いました。一方で、シュッとしている木村先輩はというと、「僕は普通で」とスマートに答えていました。

定食を食べる男性
写真=iStock.com/galitskaya
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自分にとって価値が高いものは何か

木村先輩に「せっかくなのになんで大盛りにしないんですか?」と聞くと、先輩はこう答えたのです。

「この店でうまいのはおかずでしょ。別に米が特別うまいわけじゃない。だったら、米を大盛りにしても満足感も幸せもそんなに変わらないじゃん。俺はこのうまいおかずが食べられればいいんだよ。ここで余計にカロリーを摂っても、あんまり意味なくない?」

この二人の違いこそが、体型管理における「コスト」の捉え方の決定的な差です。

長谷川先輩は、自分にとって最も価値が高く「心的コスト」が甚大なものを削り、その一方で無料の大盛りご飯という「どうでもいい惰性のカロリー」を無意識に積み上げていました。

木村先輩は、うまいおかずや楽しいお酒は全力で味わう(価値を残す)代わりに、自分の満足感に貢献しない「無料だから」というだけの無駄なカロリーをあっさりと捨てていたのです。