法人税の減税についての議論が盛んになっているが、一つ忘れてはならないことがある。それは、赤字が生じた場合に翌期以降最大9年間、黒字から赤字分を差し引ける「繰越欠損金」という制度の存在だ。

具体的にいうと、資本金1億円以下などの条件を満たす中小企業は繰越欠損の全額を課税所得から控除できる。それ以外の大企業などについては、繰越欠損金が課税所得を上回っていても、その80%までの控除が限度となっている。

たとえば、中小企業で150万円の赤字(税務上の繰越欠損金)が出たとしよう。翌年、100万円の黒字が出ても前年の150万円の赤字から100万円分の黒字を相殺することで、課税所得はゼロとなる。結果、法人税はかからない。さらに、控除し切れなかった50万円の欠損金は、その翌年以降の黒字から控除できる。