「牛乳」が効果的

このほか、コンビニなどで手軽に買える飲み物も役立つ。その飲み物とは牛乳だ。

文部科学省の食品成分データベースによると、牛乳は、87.4%が水分で、カルシウムやカリウムなどの電解質も含んでいる。しかも、業界団体のJミルクの「血糖値コントロールで糖尿病&肥満の予防・改善を―牛乳は低GIの優等生!」によると、牛乳に含まれる乳糖は、緩やかに消化・吸収されることから、血糖値を急激に上昇させにくいという。

では、信州大学の研究チームの研究成果から紹介していこう。この研究では牛乳に含まれる乳たんぱく質と糖質を運動のすぐ後に摂ると、単なる水分補給にとどまらない効果があることが示された。

すなわち、運動の直後に糖質と乳たんぱく質を摂ると、本来は回復が鈍いはずの高齢者でも、若い人たちと同じように、血漿(血液に含まれる液体成分)の量や血液中の水分量を保つ働きをもつアルブミンというたんぱく質の量の回復が促進されたという。

そのメカニズムについては、運動した直後に糖質と乳たんぱく質を摂取すると、血漿中のアルブミン含有量が上昇。浸透圧によって、血管外から血管内に水分が移動し、血漿量が増加すると考えられるという。

血漿量が減ると、体温調節がうまく働かない

名古屋文理大学の熱中症予防に関する総説論文「食事・栄養と運動による熱中症の予防」や信州大学の「運動+乳製品摂取の熱中症・生活習慣病予防効果」によると、熱中症対策としては、血漿量を維持することが非常に重要だとされる。わたしたちの体温の調節は、主に発汗(汗が蒸発するときに熱が奪われる)と皮膚の血流量の増加(体内と体外の温度差で熱を放散する)の2つでおこなわれる。だが、血漿量が減少すると、このような体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもって、深部体温(体の内部の温度)が上昇し、熱中症につながるという。

さらに、信州大学の研究チームの研究成果によって、熱中症対策として、運動のすぐ後に糖質や乳たんぱく質を摂り続けることで、暑さに強い体づくりに役立つことも示されている。

こうした研究成果をもとに業界団体のJミルクは、前述の論文にも名がある信州大学の能勢博特任教授の監修で「運動+牛乳」という方法を紹介している。

Jミルクのリーフレット「ミルクと一緒にはじめよう 熱中症に負けない元気な体づくり」によると、“ややきつい”運動を1日15~30分行った後、1時間以内にコップ1杯の牛乳を習慣的に飲み続けると、暑さに強い体づくりに効果が期待できるとされている。

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