エナジードリンクはなぜ別物なのか

コーヒーはほとんどの成人にとって安全とみられる一方、AHAは、エナジードリンクやエナジーショットには、1液量オンス当たりで通常のコーヒーの3~4倍ものカフェインが含まれる場合があると警告している。

こうした製品には、次のようなリスクがある。

・血圧を急上昇させる
・不整脈を引き起こす
・特に若年成人の心血管系に負担をかける

高用量のエナジードリンクを飲んだ直後、それまで健康だった人に不整脈が起きた症例も報告されている。

カフェインは体にどう作用するのか

カフェインは摂取から1時間以内に血中濃度がピークに達する。

代謝のされ方は、遺伝的要因や年齢、服用している薬、過去のカフェイン摂取習慣によって異なる。

短期的な影響としては、血圧の一時的な上昇、心拍数の増加、覚醒度の向上のほか、時には動悸や睡眠障害が生じる可能性がある。

反応には大きな個人差があるため、専門家は、ある人にとって安全な量でも、別の人には症状を引き起こす可能性があると強調している。

医療機器大手アボットの血管関連事業で最高医療責任者を務める心臓専門医のイーサン・コーンゴールド医師は、今回の知見について、医師が患者にカフェインについて説明する際の考え方を大きく変える可能性があるとニューズウィークに語った。

「何十年もの間、心臓専門医は患者にコーヒーを控えるよう注意してきた。今回の研究は、そうした従来の通念に重要な形で疑問を投げかけるものだ」

「適切な量を適切な摂取源から取るのであれば、カフェインは心臓に害を与えるどころか、むしろ保護する可能性があることが分かりつつある。これは重要な違いであり、今後、診察室での会話を変えるかもしれない」

「個人的にも、サードウェーブコーヒーに夢中になっている者として、大好きな趣味について明るいニュースを目にできて、とてもうれしく思う」

砂糖やクリームを入れると効果は変わるのか

マーカスによれば、クリームやフレーバーシロップ、砂糖がコーヒーの心血管への作用をどのように変えるかについては、厳密な研究でまだ明らかになっていない。

ただし、砂糖やシロップを加えることで、潜在的な健康効果が弱まると推測するのは「不合理ではない」としている。

興味深いのは、コーヒーの好影響を示してきた観察研究の大半が、被験者が普段通りの飲み方でコーヒーを飲んでいる状況で実施されていることだ。

つまり、砂糖やクリームなどが加えられていても、一定の効果が残っているとみられる。

マーカスによれば、これは甘味料を加えても効果があることを示している可能性もあれば、甘味料を入れなければ、効果がさらに強くなる可能性もある。

紅茶や炭酸飲料など、ほかのカフェイン飲料は?

声明は主にコーヒーを対象としているが、マーカスは、多くの知見がカフェイン入りの紅茶や茶にも当てはまる可能性があると述べた。

カフェイン入りの茶も、心房細動、心不全、脳卒中のリスク低下との関連が報告されている。

一方、炭酸飲料には、カフェインの有無とは別のリスクがある。

マーカスは、砂糖入り飲料が2型糖尿病や肥満と関連することを示す証拠が数多く存在すると指摘した。

糖尿病や肥満は、高血圧、心筋梗塞、心不全、脳卒中、死亡のリスクを高める。

最も懸念されるのは、依然としてエナジードリンクだ。

「これまでに得られている研究では、こうした製品が健康被害につながる可能性が示されている」と、マーカスは述べた。

有望な研究結果が出ているものの、AHAは、カフェインが人によってどのように異なる影響を及ぼすのか、またコーヒー以外のカフェイン摂取源が心臓の健康にどう影響するのかを解明するには、さらに多くのランダム化比較試験が必要だとしている。

データが限られていることから、カフェインはAHAがまとめた2026年版の心血管の健康に関する食事指針には盛り込まれなかった。

当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら
【関連記事】
腸の壁に穴が空き、全身がボロボロに…内科医が「毎日食べてはダメ」と警告する"みんな大好きな朝食の定番"【2026年4月BEST】
日本人に突出して多いのはA型だが韓国は全く異なるのはなぜか…"血液型に刻まれた人類の進化と適応の歴史"【2026年3月BEST】
「家の近所を歩く」よりずっと効果的…精神科医「ウォーキング効果を最大限に引き出す」とっておきの場所【2026年4月BEST】
台所を見れば認知症の予兆がわかる…介護のプロが断言「物忘れ」よりも早く気づける"食卓の異変"
パカッと開けて週に1、2個食べるだけ…がん専門医が勧める「大腸がんを予防するオメガ脂肪酸たっぷり食品」