ゴールドマンは200億円超とも言われる巨額の手数料を得た上で、60社の海外投資ファンドに6000億円を出資させた。シンガポールのエフィッシモ・キャピタル・マネージメント、米国のエリオット、サーベラス、サード・ポイント、香港のオアシス。60社の中には名うての「アクティビスト」が何社も含まれていた。
「あの証券会社に任せれば、そうなることは目に見えていた」と久保氏は言う。
アクティビストと呼ばれる投資家にとって大切なのは優良な事業や資産を売却させて今期、来期の配当を増やしたり、株価を釣り上げて売り抜けることであり、「10年後の東芝の姿には全く興味がない」(久保氏)。ここから「東芝解体」が加速していく。
何のために売ったのか
アクティビストに押し切られる形で東芝は2018年、ついに虎の子のメモリ半導体(NANDフラッシュ)事業の売却を決断した。
「東芝の未来は半導体と原発が担うはずだったのに、どちらも失ってしまった。(残った唯一の成長事業である)NANDを売って、どうやって東芝を再建するのか」
発表を聞いた時、久保氏はそう思ったという。
※この続きでは、東芝元CFOの久保誠氏がキオクシアの今後について懸念を語っています。約7300字の全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア『文藝春秋PLUS』と『文藝春秋』2026年9月号に掲載されています(大西康之「キオクシア敗戦 東芝元CFOの告白」)。
(大西 康之/文藝春秋 2026年9月号)

