水に落ちた「犬」を叩く矛盾

今回の一連の報道は、地元紙・西日本新聞の「スクープ」から始まっている。とはいえ、同紙もまた、藏内氏に「逆らえない」会社のひとつだったのではないか。

「赤信号、みんなで渡れば恐くない」とばかりに、一斉に、藏内氏叩きに走っているけれども、それほどまでに藏内氏の権力を大きくした責任は、マスコミにこそあるのではないか。

この問いは、福岡に限らない。関西テレビの記者だった私自身もまた、「是非モノ」を書き、権力者に媚びを売った経験がある。「特オチ」を恐れ、デスクの顔色をうかがい、取材相手との関係を壊さないようにことばを選んだ。そうした日々が、いまとなっては、藏内氏を増長させたマスコミと、どこが違うのかと問われれば、答えに詰まる。

「メディアの罪と罰」は、福岡県議会のスキャンダルが終わっても消えない。「メディア不信」と言われるなら、まだマシだろう。こうやって白々しく「権力監視」を錦の御旗に、世の中の空気を読んで、かさにかかって、水に落ちた「犬」を叩いてばかりいるのなら、「メディア無視」が待っているに違いない。

かつて藏内氏の「犬」だったのはマスコミだった。そのマスコミが水に落ちた「犬」のように藏内氏を叩いているけれども、やがて立場が反転して、叩く側が叩かれる側に回っても、おかしくはない。在福岡のマスコミ各社こそ、みずからの振る舞いを率先して猛省し、検証すべきではないか。

【関連記事】
小泉進次郎氏でも、高市早苗氏でもない…いま自民党内で急浮上している「次の首相」有力候補の意外な名前
地方衰退の一番の原因は「人口減少」ではない…山口の超富裕層が「住民税43億円」をまるっと抱えて移住した理由
なぜ皇室に1男2女をもたらした「良妻賢母」が嫌われるのか…紀子さまを攻撃する人たちの"本音"
「日本円の紙くず化」へのカウントダウンが始まった…高市首相が狙う「借金1342兆円を帳消しにする」禁断の処方箋
だから習近平は台湾にも尖閣にも手を出せない…中国軍が最も恐れる海上自衛隊の「静かな反撃力」の正体