根底にある「出生奨励主義」を疑う

こうした圧力の根底にあるのは、「出生奨励主義(プロナタリズム)」と呼ばれる考え方だ。子どもを作ることは良いことであり、作らないことは悪いことである、という暗黙の前提。この前提は、あまりにも当然視されているため、疑問を持つこと自体が難しい。

しかし、なぜ子どもを作ることが「良いこと」なのだろうか。誰にとって良いことなのか。社会にとって? 親にとって? 生まれてくる子ども自身にとって? この問いを真剣に考えると、「子どもを作ることは良いこと」という前提は、それほど自明ではなくなる。

出生奨励主義は、しばしば「自然」や「本能」という言葉で正当化される。子どもを産み育てたいという欲求は、人間の自然な本能である。だから、子どもを持たないことは「不自然」である、と。