これまでのどの首相よりも信頼された

開戦後、勝利が続くと東条と天皇の関係は蜜月を迎える。天皇の東条に対する高い評価は、敗戦後も残っていた。天皇は敗戦直後、側近に東条をこう評している。

「彼程朕の意見を直ちに実行に移したものはない」

2人の関係は、東条の一方的な進言に天皇が「しぶしぶ御同意」するようなものではなかった。戦況を報告する東条と天皇の間には「歴代の首相以上の信頼関係」があり、国務と統帥を兼ねる東条の「独裁化」は、天皇の承認があって初めて可能だったとの見方もある。