戦争継続が刑の確定を先延ばしにする

現在、ネタニヤフ首相は安全保障上の理由で汚職裁判での証言の延期を要請するなど、戦争の継続と首相の座をいいことに審理を棚上げし、事実上、刑の確定の先延ばし工作をしている。ネタニヤフ首相個人としても、戦争を継続させることは自身の政治生命そのものに直結しているのだ。

一方で、国民の声も重要だ。イスラエル国家安全保障研究所の世論調査によると、2026年3月上旬時点で、イスラエル国民の81%が、イランに対するイスラエル・米国合同攻撃を支持している。さらに、63%の国民がイラン政権崩壊まで作戦を継続すべきだとの結果が出た。

米イスラエルによる空爆3日目のイラン・テヘランの住民たち
米イスラエルによる空爆3日目のイラン・テヘランの住民たち(2026年3月3日)(写真=Mohammad Ali Berno/Avash Media/CC-BY-4.0/Wikimedia Commons)

国際社会の非難と異なり、イスラエル国民は、対イラン戦争を強く後押ししている。エルサレム・ヘブライ大学がアガム研究所と共同で行った世論調査では、72.5%が、ネタニヤフ首相の「イスラエルは大きな成果を上げ、存亡の危機を取り除いた」という主張を信じていないと回答している。戦争の継続は国民の支持に直結する。国民からの支持率の獲得のためにも、ネタニヤフ首相はそう簡単に戦争をやめるわけにはいかないのだ。