世界一の省エネの国になったが…

日本銀行の研究によれば、日本のエネルギー効率は1970年代から80年代にかけて大幅に改善した。大きな役割を果たしたのは、企業部門における省エネ技術の進歩だった。鉄鋼、化学、機械などの製造業は、生産量を維持しながら、使用する燃料や電力を減らす技術を競って開発した。家庭でも、冷蔵庫、エアコン、自動車などの効率が上がった。

古い電球からLED電球に交換する人の手元
写真=iStock.com/jittawit.21
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少ない電力で同じ性能を出す。少ないガソリンで長く走る。製造工程の無駄を細かく削る。省エネは、日本製品の品質と国際競争力の一部になった。

象徴的なのが、1999年に始まった「トップランナー制度」である。市場にある最も効率のよい製品を一つの目安とし、将来、業界全体が到達すべき省エネ基準を定める。最も優れた製品を、次の市場標準にする仕組みだ。

トップランナー制度は日本国内に留まらず、「規制によって企業の技術革新を促し、市場全体の省エネ性能を引き上げる」という、画期的な規制モデルとして、海外の省エネ政策にも影響を与えた。

日本が海外へ広げたのは、製品や制度だけではない。

もっと評価されていい

2005年に始まったクールビズは、ネクタイや上着を外し、冷房の設定温度を緩めることで電力消費を減らす運動だった。

この発想は国連にも波及した。2008年、当時のバン・ギムン国連事務総長は、ニューヨークの国連本部で「Cool UN」を開始した。冷房の設定温度を上げ、週末には空調を止め、職員に軽装を促した。

自動車でも、日本の影響は大きかった。1970年代のオイルショック後、燃費のよい日本の小型車は米国市場で支持を広げた。大型車中心だった米国メーカーは燃費改善を迫られた。その後、トヨタのプリウスに代表されるハイブリッド車は、新しい選択肢を世界に示した。

初代トヨタ・プリウス
初代トヨタ・プリウス(写真=根川大橋/CC-BY-SA-4.0/Wikimedia Commons

日本の省エネは、決して無駄ではなかった。それどころか製品、制度、企業競争、生活文化を通じて、世界のエネルギー効率を引き上げてきた。

それは、もっと評価されていい。