「知的な変わり者」を評価

ヤッホーブルーイングでは前述の通り、仲間を称賛し合う習慣があり、同社の「ガッホー文化」で提示されている「知的な変わり者」的な行動が共有され、チャットツールや対面の場で称賛されています。

ただ、「知的な変わり者」という言葉が厳密に定義されているわけではなく、明確な採用基準というわけでもありません。けれども社内では「出る杭を伸ばす」と表現されるように、個人の強みを伸ばし、得意なことや興味を積極的に仕事に生かす文化があるのです。

例えば対外的な授賞式の場で、他社がフォーマルな服装で参加する場にあえて仮装して参加したり、絵を描くのが好きなメンバーにメルマガの4コマ漫画を描いてもらったり、あるいは「エベレスト級の登山に挑戦したい」と数カ月会社を休んだりするなど、直接的に仕事に関係ないことも称賛されます。

チャットツールでそうした行動を可視化し、称賛し合うことで、挑戦する文化が日常的に強化されていくのです。こうした組織文化は、『インドの青鬼』『有頂天エイリアンズ』といったユニークな商品開発や国内初の球場内醸造所(そらとしば by よなよなエール)の設立など、大胆なアプローチに表れていると言えるでしょう。

登山する人
写真=iStock.com/tdub303
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社内SNSをヒントに現場を改善

スープストックトーキョーでは「世の中の体温をあげる」という理念を浸透させ、現場の改善につなげるため、社内SNSを活用して各店舗やメンバーの取り組みを共有しています。

社内SNS「Smash」では、新メニューや社長コラムといった社内報的なコンテンツはもちろん、各店舗の社員やパートナー(アルバイト)が自由に投稿し、リアクションできるプラットフォームとなっています。そこでは店舗での工夫や挑戦していること、困りごと、あるいは新たなグレード(等級)に昇格したパートナーによる「自分が『世の中の体温をあげる』ためにどんなアクションをするか」という宣言などが投稿され、スタンプやコメントで反応が寄せられています。

「世の中の体温をあげる」をそれぞれが解釈し、課題や挑戦を共有することで、その解決や支援を後押しする文化が生まれているのです。

例えばとある店舗で、ユニバーサルデザインを学ぶ大学生のパートナーが、視覚障がいのあるお客様に対し「時計の文字盤(クロックポジション)に見立てて料理の配置を説明する接客方法」を共有したところ、他店舗から「うちでも参考にしたい」「ぜひ使わせてほしい」と称賛する反応が続き、全店へ展開することになりました。

店舗運営というオペレーティブな業務形態でありながら、現場のメンバーが自律的にサービス改善や新しい試みに取り組む文化が醸成されているのは、そうした行動が社内SNSで可視化され、称賛される仕組みがあるからです。