仕事で成果を上げている人の習慣
マッサージをぜいたく品、特別なものと感じている方は少なくないと思います。ただ、産業医として多くの働く人を見てきてわかったのは、「仕事で安定して成果を出している人ほど、疲労回復に時間とお金を投資している」ということです。
そうした人たちは、マッサージや指圧、鍼灸など、自分に合った体のメンテナンス方法を先入観に囚われることなく調べ、定期的に取り入れています。「疲れきってから対処する」のではなく、「疲れきる前に対処する」ことが、結果的にパフォーマンスを保つ近道だと体感しているからです。
この考え方は、個人だけでなく企業にも広がっています。たとえば、GoogleやAmazonでは社内にマッサージ師が常駐しており、仕事の合間に体をほぐせる環境を整えています。国内でも楽天グループやLINEヤフーなどのIT企業では、マッサージやリラクゼーションを福利厚生として取り入れる動きが見られます。
そこにあるのは「疲れた状態では、集中力や発想力が落ちる」というシンプルな認識と対策です。マッサージはぜいたくではなく、パフォーマンスを保つために必要な投資として扱われているのです。
また、産業医として休職からの復職をサポートする中で、私自身、何度も感じてきたことがあります。それは「体を整える習慣を身につけた人ほど、疲労回復が早い」ということです。
「体をほぐす時間」を意識的につくろう
休職中、整骨院やリラクゼーションサロンに定期的に通い、体をほぐすことを生活の一部にしていた人は、復職に向けた準備が比較的安定して進んでいきます。
たとえば、体のこわばりが和らぐと、眠りが深くなり、朝のだるさが和らぎます。すると「今日は少し動けそうだ」「外に出てみよう」という感覚が戻ってきやすくなります。こうした小さな回復の積み重ねが、再び仕事に向き合うエネルギーにつながっていくのです。
心の不調があると、どうしても「気持ちの問題」「考え方の問題」だけに目が向きがちです。しかし、体の緊張が抜けないままでは、回復はスムーズに進みません。心と体は切り離せるものではありません。体をゆるめることが、心を立て直すきっかけになることも少なくないのです。
復職を目指す過程では、通院やカウンセリングと並行して「体をほぐす時間」を意識的に作ることも、大切な準備の一つです。マッサージや指圧、鍼灸などを上手に取り入れることは、復職に向けた土台づくりに最適といえます。
マッサージに慣れていない方は、週に1回、30~45分程度の短時間から始めることをおすすめします。2時間のマッサージを月に1回受けるよりも、短い時間でも定期的に体をほぐす方が、疲労のリセットには効果的です。



