80歳を超えても輝き続ける養老孟司さんの言葉
ベストセラー『バカの壁』でもおなじみの養老孟司さんは、2026年現在、88歳です。
養老さんの経歴はもはや詳しく紹介するまでもありませんが、1962年に東京大学医学部を卒業された後、1年のインターンを経て解剖学教室に入り、以後解剖学を専攻されました。
その後、解剖学の権威として1995年まで東京大学医学部教授を務め、現在は東京大学名誉教授でいらっしゃいます。
そんな養老さんは、私にとっては心から「師」と呼べる方で、今でも親しくお付き合いをさせていただいているのですが、養老さんから人生訓となることを言われたことがあり、それを著書の中で紹介したことがあります。
「茂木君、塀の上を歩く練習をしなくちゃダメだよ。塀の内側でみんなと安全でいても、つまらない。かと言って、塀の外側に落ちてしまったら大変だ。なんとかうまくバランスをとって、塀の上を歩く。そんな人生が面白いんだよ」(『嫌われ者の流儀』堀江貴文・茂木健一郎、小学館より)
この言葉は、私の心に深く響きました。
私なりに解釈すると、たとえどんなに有名になろうとも、たとえどんなに人生安泰と思っても、パッションを持って日々チャレンジ精神を忘れずに生きなければいけないということです。
パッションは若者の専売特許ではない
実際に、養老さんと私には、ある共通した趣味があります。それは、虫です。
私も幼少の頃から蝶の研究をしていたことがあり、養老さんも甲虫のヒゲボソゾウムシの仲間にこだわって採集、標本にされています。
そんな虫好きの養老さんの虫へのこだわりや虫捕りなどの様子を伺っていると、まさに童心に戻ったようなキラキラした目をされていて、東大の教授をやっていたときよりもはるかに楽しそうにしていらっしゃるのです。
前にパッション(情熱)について触れましたが、この言葉を聞けば、若者たちの専売特許と考える50代の方もいるかもしれませんね。
しかし、脳科学的にいえば、たとえいくつになっても脳はパッションを求めているということです。
それを、養老さんは私たちに教えてくれているのではないでしょうか。
私も脳の研究のほかにも、さまざまなことにパッションを持って生きています。
たとえば、私は子どもの頃から科学や芸術が好きだったので、今でも絵を描いたりすることにパッションを注いでいますし、小説を書くことも大きなパッションを持って取り組んでいることの1つです。
さらには、まだ取り組めていないことではありますが、ジャングルの中を歩き回っていろんな生き物を観察したいという気持ちをずっと持っていて、そのパッションは抑えがたいものがあります。
多くの50代の方にとってのパッションとはどんなものでしょうか。

