「2~3分続けると息があがる」くらいのスピードで
加齢性筋量減少症(サルコペニア)に負けないように筋肉を鍛えるためには、最大体力の6~7割に当たる「ややきついと感じる」強度の運動を継続して行う必要があります。
歩行でこの強度を目指すのであれば、“2~3分続けていると胸がドキドキして息が上がり、短い会話は可能でも長く話すことはできなくなってくる”くらいのスピードで歩くことになります。
このスピードの速歩きを1週間合計60分以上行いましょう、それを無理なく5カ月間続けられるように小分けに行って生活の中で習慣化してしまいましょう、というのが私たちの推奨するインターバル速歩です。
速歩きの時間もゆっくり歩きの時間も、1日に行う回数も、ライフスタイルに合わせて自由に決めていただくことができます。
しかし、初めてインターバル速歩を行うときは、基本的に“ゆっくり歩き3分+速歩き3分”を1セットとして1日5セットから始めていただくことをお勧めします。
5セットを連続して行う必要はなく、朝1セット、昼2セット、夕2セットなど分けて行っていただいて問題ありません。最初のうちにこのセットで歩くことをお勧めする理由は、自分にとって「ややきついと感じる」強度の運動にするためにはどのくらいのスピードで歩けばいいのかをしっかり体得しておくことが、インターバル速歩を継続しやすくするポイントになるからです。
心拍数があがるのは1~2分後から
自分自身で「ややきついと感じる」強度を確認する指標としてはRPEと心拍数があります。RPEとは運動をしている本人の主観、すなわち、自分自身がどのくらい“きつい”と感じているかということを基準にして、最大体力の何割程度の負荷がかかっているかを測るものです(図表1)。
スマートウオッチなど心拍数を測定できる機器があれば、歩きながら心拍数の変化を見ると分かりやすいです。個人の最大心拍数は220-年齢で推定することができますから、その6~7割を目標にすればいいです。一方、基本的に心拍数が上がればRPEのポイントも上がりますので、RPEのほうを指標にしていただいても全く問題ありません。
ここで気を付けなければいけないのは、「ややきついと感じる」強度の速歩きは始めてもすぐには心拍数が上がってこないということです。無論、運動開始直後から心拍数が上がり始めますが、それが強度に相当するレベルに達するのは1~2分経過してからになります。
速歩きを始めた直後は心拍数が十分上がらずRPEも低く感じるため、「強度が足りないのかもしれない」とさらにスピードを上げてしまった結果、過度な負荷がかかり、2分も経たないうちに続けるのがしんどくなった、ということも起こり得ます。

