数の力で押し切った

ところが、何のために全体会議が行われたのか、理解できていない政治家もいたようだ。失礼ながら、高市早苗首相自身もその一人ではあるまいか。全党派に呼びかける立場にあった森英介衆院議長からして、全会一致に水を差すような発言が見られた。5月15日の記者会見で「全党の賛同を得るのは不可能」などと先回りして述べていた。

結局、全13党派が集まった中で、議長らの取りまとめ案に賛成したのは7党派にとどまる惨状を呈した。およそ「立法府の総意」からほど遠い。

しかも政府は、その「議長らの取りまとめ」では合意が得られず、あえて保留していた事項について、内親王・女王の配偶者やお子さまを国民にするとか、養子の子に皇位継承資格を認めるなどと、勝手に書き込んだ改正案を作った。野党の一部からは「騙し討ち」とまで非難された。その結果、衆院でも参院でも、皇室典範という特別な法律の改正にふさわしくない、「全会一致」とはかけ離れた、数の力だけに頼った単なる多数決(少数派の切り捨て)に堕してしまった。