テトリスがダイエット中の間食を防ぐワケ
参加者をランダムにテトリスグループと記録のみのグループに分けたところ、テトリスを3分間プレイしたグループでは、欲求の強さが平均70%から56%へと13.9ポイント下がりました。
この効果は食べ物への欲求だけでなく、アルコール・タバコ・カフェインへの欲求にも一貫して確認されています。
この背景にある考え方が「精緻化侵入理論」。食べたいという衝動は、頭の中に「食べているときの感覚的なイメージ」が浮かぶことで強化されていきます。
チョコレートの甘い香り、とろける食感、口に入れたときの満足感。そうした映像が脳内で繰り返されるほど、衝動はどんどん膨らんでいくのです。
ここでテトリスが登場します。テトリスのようなゲームは「視空間ワーキングメモリ」と呼ばれる脳の領域を使います。これは頭の中で形や空間を操作するための作業スペースで、広さには限りがあります。
ブロックを回転させたり積み上げる場所を判断したりするだけで、この作業台はあっという間にいっぱいになります。すると、食べ物の映像を再生する余裕がなくなり、脳の作業メモリを埋めて食欲のイメージを追い出す仕組み(テトリス法)が働くのです。
衝動を強化する「頭の中の映像」そのものが作られにくくなる、ということでもあります。食べたい衝動に「負けた」のではなく、「脳の構造のうえで、映像を止めるものがなかっただけ」。
対策は意志力を鍛えるのではなく、脳の作業台をテトリスなど別のもので埋めてしまえばいいのです。
食べたい衝動が来たら、テトリス系のアプリを3分間プレイしてみましょう。アプリがホーム画面にあれば、衝動が来たらすぐ使えます。
食べすぎた翌日「罪悪感」の対処法
忘年会、誕生日ケーキ、旅行先での食事。「食べすぎた」と感じる日は、誰にでも必ずやってきます。
その翌朝、罪悪感から「今日は何も食べない」「今週は食事量をぎりぎりまで減らす」と決意したことはありませんか? 実はその対処法こそが、ダイエットを三日坊主にしている一因かもしれません。
ニューキャッスル大学のクワスニカらは、行動変化の「維持」に関する117の行動理論を体系的に精査し、統合したシステマティックレビューを発表しました。
長期的な習慣維持に欠かせない要素の1つとして浮かび上がったのが、「自己調整とコーピング(対処)の力」です。特に、一時的なつまずきが起きたときに、それを柔軟に受け流して元の軌道に戻れるかどうかが、長期的な成功を左右すると論じています。
言い換えれば、「食べすぎた」という出来事そのものより、その後の対処の仕方こそが、ダイエットの行方を決めるということです。

