「天皇=神話の神々からつながる」は虚構
7月10日の衆院運営委員会で共産党の塩川鉄也議員から、「なぜ、女性ではダメなのか。なぜ男系男性にこだわるのか」と、木原官房長官に質問したところ、木原長官は即答できなかった。慌てて事務方に聞いたり手元の資料をめくって50秒以上ウロウロした後、「委員長、すいません。(速記)止めてもらえませんか」と申告する場面があった。
必ず聞かれるであろう質問に答えられない木原官房長官の姿は、そこには出席していない高市首相の姿に重なった。
保守派の論客・佐伯啓思氏は『月刊日本』7月号のインタビューで、「天皇が神話の神々からつながる存在だというのは虚構」だといっている。
しかし、「万世一系」「男系男子」に拘る高市首相をはじめとする保守派政治家たちは、男系男子を存続させるために突然、これまで議論されていない「奇策」さえ考え出し、強引に改正案に忍び込ませたのだ。
旧皇族の15歳以上の配偶者や子がない男系男子を養子にし、その男性が結婚して男の子が生まれれば、その子を天皇にするというのである。
森英介衆院議長(自民党)は6月8日の会見で突然、このことを発表した。
野党から「聞いていない、重大な裏切りだ」と猛反発され、森議長は慌てて釈明に追われた。だが、この案が撤回されることはなかった。
森議長は麻生派である。女系、女性天皇など絶対認めないというのが麻生太郎の持論であるといわれる。
令和の藤原氏を狙う麻生太郎
冒頭にこの皇室典範“改悪”は高市首相と麻生副総裁の「クーデター」ではないかと書いた。それについて書いてみたい。
麻生太郎の妹の信子さんは三笠宮寛仁親王と結婚。夫が逝去した後は、その母親の百合子さんが当主を務めていた。
信子さんは寛仁親王の生前から別居をしており、その百合子さんが亡くなると、長女の彬子さんが本家である三笠宮家の当主を引き継いだ。
さらに皇室会議で、異例中の異例だが、信子さんが新たに独立の生計(宮家と同等の扱い)を営むことが正式に認定され、新しい家名として「三笠宮寛仁親王妃家」が創設されたのである。
この「異例」な新宮家創設の裏には麻生氏の力が働いたのではないかといわれている。
今回問題になっている「養子案」には、こういう筋書きがあるのではないか。
信子さんが養子を迎え、その男性が将来結婚して男の子を生めば、その子が天皇になる――。
そう私は考えている。
そうなれば、麻生太郎は天皇の「外戚」になり、かつて平安時代に藤原道長が「摂関政治」で権勢をふるったように、彼が令和の藤原氏を狙っているのではないか。

