長く運転を続けられる人の共通点

最近では、安全運転支援機能がついたドライブレコーダーや、自動車メーカーや保険会社をはじめとする各種の企業が提供する運転支援サービスを利用して、自分の運転を“見える化”することもできるようになってきました。

もちろん先にも記した通り、75歳を過ぎても安全運転ができるかどうかは、認知機能だけでは測れません。長く安全運転を続けられる人に共通しているのは、悪い癖を自覚し、それを修正できることです。

加えて、自分の運転能力に合わせた「自主規制」が行えるかどうかも大切なポイントとなります。

「夜間運転をやめる」が運転可能期間を延ばす

高齢運転者の多くは「できるだけ長く運転を続けたい」と考えています。その一方で、自分の運転を見直し、無理のない範囲で運転する工夫もすでに行われています。

たとえば、運転する時間帯や天候、体調などを考えながら、「今日は運転するかどうか」を自分で判断することです。こうした行動は「自主規制」と呼ばれますが、決して消極的なものではなく、安全に運転を続けるための前向きな工夫といえます。

では、実際にどのような自主規制が行われているのでしょうか。

その一つが「運転する時間帯の調整」です。図表3は、年齢別に事故が多く発生している時間帯を示したものです。これを見ると、65歳未満では18〜21時の夕方から夜にかけて事故が最も多くなっています。一方で、75歳以上では9〜12時の昼前の時間帯が最も多くなっています。

さらに注目すべきは、夕方以降の事故の割合です。

65歳未満では18〜21時が約22.6%と高いのに対し、75歳以上では約11.5%と半分程度にとどまっています。21時以降の夜間でも、同様の傾向があります。

【図表】年齢3群別、事故発生時間帯の特徴(2023年)

このことから、高齢ドライバーは暗くなる時間帯や夜間の運転を控える傾向があることがわかります。

これはまさに、自主規制が実際の行動として表れている例といえるでしょう。

一方で、9〜12時の時間帯に75歳以上の事故が多いのは、その時間帯が日常の移動(買い物や通院など)で最も利用されているためと考えられます。

つまり、高齢ドライバーは「危険が高い時間を避ける」「必要な時間に限定して運転する」という形で、無理のない運転を実践しているのです。