組織防衛ではなく「説明責任」を

もし、本当に、被害者の「人権尊重」をしたいのならば、「人権」の原点に立ち戻り、加害者にも平等に対応しなければならない。それよりもまず、まさに「関係者のプライバシー侵害や二次被害」が横行している現状について、当事者、いや、責任者として正面から向き合わねばなるまい。

何より、その「人権方針」において「当社グループは、その事業活動が人権に対する負の影響を引き起こした、又はこれを助長したことが明らかになった場合、必要な手続きを通じて速やかに是正・救済に取り組みます」と掲げているのだから、できる限り早く、「女性俳優」だけではなく「男性俳優」についても、その「是正・救済に取り組」まなければならない。

少なくとも「女性俳優」と「男性俳優」の言い分が食い違っている以上、できる範囲でのさらなる説明が、「人権方針」にかなうのではないか。「人権方針」に「放送の公共的使命と社会的責任を常に認識し」と謳う大企業として、自社の制作現場で起きた(とみられる)事案について、「男性俳優」への「厳重注意」と「声明」で幕引きを図ろうとしているのだとすれば、それは、つじつまがあうのか。

「一連の事案」をうけた「再生・改革」が本当なのかどうか。今回の声明だけではなく、「人権尊重」の掛け声は、お題目にとどまらない、そんな姿勢を見せる覚悟と実行する姿勢が、同社に問われている。

「人権方針」は企業の理念である。しかし理念は、都合の良いときだけ掲げる標語では意味がない。自社の制作現場で起きた問題に向き合うときこそ、その理念が最も厳しく試されるのではないか。理念こそ、組織文化そのものだからである。

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