中居氏をめぐる対応との共通点

この番組は、本稿執筆時点(2026年7月5日)でも、YouTubeで全編を視聴できる。冒頭で清水賢治社長が、「この度の当社で発生した人権・コンプライアンスに関する問題により、ご迷惑とご心配をおかけしておりますことを、あらためて深くお詫び申し上げます」と述べている。「人権」については、「当社、元アナウンサーAさんへの人権侵害事案」と位置づけた。

この位置づけは、昨年3月31日にFMHに、「第三者委員会」が提出した「調査報告書」による「女性Aが中居(正広)氏によって性暴力による被害を受けたものと認定」したこと(同書27ページ)を受けたものである。

なるほど、「人権侵害事案」への「反省」をもとに、同社が1年以上かけて進めてきた「再生・改革」の取り組みとして、今回、「男性俳優の言動について、厳重注意を行うとともに、再発防止を求めた」のは、まったくもって、その「成果」と言わねばならない。

ここにこそ「元アナウンサーAさんへの人権侵害事案」をめぐる「一連の事案」と似た対応を感じ取らざるをえない。それは何か。

「二次被害の防止」を盾にした不可解さ

それは、「プライバシー」である。

1年半ほど前を思い出そう。あのときもまた『週刊文春』の報道によって「事案」が明るみに出た。フジテレビは、当初から「プライバシー」と「人権保護」を理由に、「元アナウンサーAさん」が、同社の社員であったかどうかさえ、答えてこなかった。

あの「紙芝居会見」とか「ボラギノールのCMのよう」と揶揄された、テレビカメラを排除した記者会見の理由もまた「人権侵害の恐れ」や「被害者に対する人権侵害を回避することを優先するため」(報告書85ページ)だったのである。

フジテレビ本社ビル
フジテレビ本社ビル(写真=Khafre/CC-BY-SA-3.0/Wikimedia Commons

フジテレビにとっての、いや、そもそも「人権」とは何なのか。被害者のみならず、加害者とされる側にも、等しく保障されるものではないのか。昨年の「一連の事案」においても、今回の事案においても、被害者への配慮は、十分になされていたし、なされていたのかもしれない。

ひるがえって、中居正広氏や「男性俳優」については、どうなのか。少なくとも今回については、「被害者」と「加害者」の言い分が対立している以上、どちらにもフェアに配慮するのが「人権尊重」ではないのか。