日産だけが1人負けの状況

両親はレバノン系でブラジル生まれのフランス育ち。フランスのエリート養成校であるグランゼコールに学び、大手タイヤメーカーのミシュランに入社。同社が買収した米タイヤメーカーであるBFグッドリッチを立て直した手腕を大手自動車メーカー、ルノーのルイ・シュバイツァー会長に見込まれて同社に移籍。1999年にシュバイツァー会長の命を受けて資本提携先の日産自動車のCOO(最高執行責任者)に就任、またたくまに2兆円の借金を完済して日産のリバイバルを成し遂げる――。いわずとしれた日産の社長兼CEO(最高経営責任者)、カルロス・ゴーン氏のサクセスストーリーである。現在は日産CEOだけでなく、ルノーでも取締役会長兼CEOの立場にある。

しかし、劇的なV字回復からはや14年、今またゴーン日産は厳しい局面を迎えている。円安効果もあって日本の自動車メーカーの業績が軒並み好転する中、日産だけが低迷。富士重工業、スズキ、マツダ、三菱自動車の下位4メーカーにおいても、史上最高益を出しているのに、日産だけが前年同期比マイナスで1人負けの状況なのだ。