追い詰められた逮捕間近、襲った後悔

A氏の詐欺師人生は、2020年に投資詐欺に手を染めてから2023年に逮捕されるまでの3年弱。そのあいだ、相手を信頼させるための“必要経費”を差っ引いた純利益は、月平均で500万円程度あったという。だが経営者を騙していた初期の詐欺に比べ、起業したい若者などをターゲットにした詐欺はいわば「末期」であり、実入りが格段に減っていった。

「どんどんお金が回らなくなり、最後のほうなど、毎日警戒してびくびくしながら生きていました。高級なご飯を食べていてもまったく味がしなかった。とにかく『どうやって金を引っ張ろうか』しか考えることができなくて。眠ることさえ浅くなっていました。そんな状態ですから、正直な話、逮捕されたときは全身から力が抜け、心からホッとしました。自分からやった過ちなのに、やっと一区切りついたと思ってしまった」

“後悔”を口にするA氏
撮影=プレジデントオンライン編集部
“後悔”を口にするA氏

偽りの日常は限界まで追い詰める。その声は過去の悪行への後悔が滲んでいた。

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