自民党が政権復帰して以降の“決定打”
女性宮家という表現が使われなくなる決定打となったのが、菅義偉政権時代の2021年に設置された「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議においてだった。
現在の上皇の退位を定めた特例法の成立時にも有識者会議が設置され、そこでは附帯決議で、安定的な皇位継承を実現するために女性宮家の創設を早急に検討する必要があるとされていた。これは2017年のことである。
女性宮家という表現が使われなくなるのは、自民党が政権に復帰した後、とりわけ菅政権以降である。
代わりに身分保持ということが言われ、併せて旧宮家からの養子案が浮上した。皇室を離れても新たな称号で、という話はまったく議論にのぼらなくなった。
こうした流れであったために、国民の多くが気づかないまま、女性宮家という言葉は議論からはじきだされ、身分保持が言われるようになったのだ。
では、身分保持とはどういうことなのだろうか。
女性皇族「身分保持」案の大問題
現在の皇室典範では、その第12条で、「皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる」と定められている。戦後に施行されたこの典範に則り、実際、戦後に結婚した内親王や女王は皇族の身分から離れ、一般国民となってきた。
今回の改正案では、この第12条を法改正し、結婚しても皇族の身分を離れることがないようにするというのである。これが身分保持である。
ただし、経過措置として、改正された皇室典範が施行される時点で内親王や女王である女性皇族については、愛子内親王や彬子女王などになるが、その意思にもとづいて皇室を離れることができるとされている。
内親王や女王の場合、現行の皇室典範の規定を前提に、その人生を組み立ててきたわけで、そのことが配慮されているわけである。
だが、ここで問題が生じる。それは、結婚した後も、内親王や女王が皇族の身分を保持したときである。結婚した配偶者や子どもを皇族にするのかどうかで、これまで賛成、反対の議論が続いてきたのだ。

