実質「略奪愛」で「不倫」だが…
1993年、マイケルが少年への性的虐待疑惑で告発され、リサ・マリーは電話で彼を気遣い続けた。そして、子どもたちと共に、マイケルからラスベガスのホテルに招待される。そこで2人きりで毎晩遅くまで部屋で話し込んだが、「肉体関係には至らなかった」。滞在の最終日、マイケルは部屋の電気を消し、真っ暗な中でプロポーズした。
「あなたは気づいていないかもしれないけど、僕は完全に恋をしている。結婚して僕の子どもを産んでほしい」
妻であり母であるリサ・マリーは即答を避けたが、当時のマイケルにこんなことを言われたらもう……。マイケルに自分の気持ちを歌にした曲まで披露され、「私も彼に恋していた」とすっかり気持ちは傾いていった。そして、すぐに離婚し、マイケルと再婚することになる。
かわいそうなのはリサ・マリーの夫ダニーだ。妻を信じてマイケルの元へ送り出したのに、妻の心を奪われてしまった。子どもたちもまだかわいい盛り。だが、自分は売れていないミュージシャン、“キング・オブ・ポップ”のマイケルとは、まさに王様と一兵卒ほどの身分差がある。そして、妻もかつての王の娘、プリンセスだった……。
ダニーはリサ・マリーもマイケルも責めずに離婚を承諾し、子どもたちに別れを告げ、愛犬だけを連れて家を出ていったという。なんていい人! 最終的にダニーはリサ・マリーを支え、彼女の最期を看取ってもいる。
ダニーの立場になれば、マイケルのやったことは略奪婚であり、不倫だ。ただ、そこで決定的に非難される肉体関係を結ばなかったのが、セルフプロデュースに長けたマイケルらしい。
35歳まで女性経験がなかった
35歳になっていたマイケルは、リサ・マリーに「自分はまだバージンだ」と打ち明けた。女優のテイタム・オニールやブルック・シールズとの交際はあったがキス止まり。あのマドンナから「ハメ外そうよ」と誘われたこともあったが、何も起きなかったと説明した。リサ・マリーは「間違いを犯したくなかったから、彼は怖がっていたのだ」と振り返っている。しかし、彼女との結婚が決まると一転、マイケルは「僕は待たないよ」と言って、2人は関係を結んだ。
ダニーとの離婚からわずか3週間後の1994年5月26日、2人はドミニカ共和国でひっそりと式を挙げた。同年8月に結婚を公式発表し、9月のMTVビデオ・ミュージック・アワードに夫婦として登場。そこでカメラの前でキスをしてみせ、世界中に衝撃を与えた。

