考えうる日本企業への「攻撃ルート」

では、日本企業にとって何が怖いのか。

たとえば、妙に条件のいい見積もりが来る。これまで付き合いのなかった窓口が「正規販売」を名乗ってくる。便利すぎるアップグレード提案が届く。保守や更新の手間が減るという触れ込みで、新しい機器やソフトウェアへの切り替えを勧められる。こうした話は、ビジネスの現場では珍しくない。

爆薬の代わりに盗聴機能が入っていたらどうか。バックドアが入っていたらどうか。保守更新を装った不正アクセス手段が仕込まれていたらどうか。

ランサムウェア侵入も、機密流出も、資金移動の不正操作も、ずっとやりやすくなる。怖いのは爆発ではない。信頼された機器と正規の運用が、そのまま侵入口に変わることだ。

見直すべきなのは、価格と納期と品質だけではない。どこで改変されうるのか。どの流通経路を通ったのか。保守や更新の権限は誰が持つのか。

現場は何を当たり前だと思って使っているのか。そこまで見ないと、本当の調達リスクは見えない。

東京
写真=iStock.com/maroke
※写真はイメージです

信じる仕組みそのものが、武器になる

レバノンで起きたポケベル攻撃は劇的な事件だった。だが同時に、再現可能な構造の実演でもあった。

攻撃者が示したのは、道具を爆弾に変える方法だけではない。信頼を攻撃面に変える方法だ。

世間を揺るがせたランサムウェア攻撃でも、入口は案外ありふれている。信頼できそうな一本のメール。正規の更新を装った侵入。見落とされた脆弱性。攻撃者は、技術の穴と人間の信頼の両方を突いてくる。

道具が武器に変わったのではない。

信じる仕組みそのものが、攻撃に使われたのだ。

【関連記事】
異民族に3000人の皇族が連れ去られ、収容所送りに…「戦利品」になった女性皇族たちがたどった悲惨な結末
"ヨボヨボ化"を進めるのはラーメンでもパスタでもない…血管・歯・腎臓を同時に壊す「最悪の麺」の正体
「ボディーバッグ」より評判が悪い…休日のイオンで見かける一発で「だらしないお父さん」になるNGアイテム
仕事のデキない人ほどこの髪形をしている…相手から全く信頼されない「ビジネスで一発アウト」ヘアスタイル3選
新大阪駅から15分なのに巨大廃墟がそびえる…「消えた終着駅」が映し出す昭和のニュータウンの栄枯盛衰