「時給4500円」から億万長者に

2020年、エルナンデス氏は転機を迎えた。スペースXの評価額が360億ドル(約5兆7700億円)に達したのを機に保有株の一部を売却し、テキサス州内に不動産を購入した。妻とともに小規模な不動産事業も立ち上げた。帳簿上の数字でしかなかった持ち株を、形ある資産に変えたのだった。

手元に残した約6500株は、ウォール・ストリート・ジャーナルによると公募価格ベースで約88万ドル(約1億4000万円)相当。上場初日の終値で換算すれば、総額約104万ドル(約1億6700万円)に達している。時給28ドルで働き始めた溶接工が、100万ドルの大台を超える資産を手にしたことになる。

「おかげで一生、安泰な立場に置いてもらえました」。スペースXで約10年間ロケットを発射台に据えるための構造物や固定設備を溶接し続け、昨年退社したエルナンデス氏はそう語る。