資産を3つに分類して考える
では具体的に何から取り崩すのか。その出口戦略について、資産を3つに分類して考えていきましょう。
・サテライト資産【積極運用】=個別株、アクティブファンド、ビットコイン、FXなど
・コア資産【安定運用】=インデックスファンド、バランスファンド、個人向け国債など
・安全資産=預貯金
「サテライト資産」とは、国内外の個別株式やアクティブファンドといった、価格変動の大きい、ハイリスク・ハイリターンの資産を指します。「コア資産」は、インデックスファンドやバランスファンド、個人向け国債といった、長期運用で安定成長が見込める資産のこと。インデックスファンドやバランスファンドについては、NISAやiDeCoで保有している方も多いと思います。そして、預貯金といった現金は「安全資産」として区別します。
このようにご自身の資産を3つに分けた上で、出口戦略については、「サテライト資産」→「コア資産」→「安全資産」の順で取り崩すことをおすすめしています。サテライト資産は「攻めの資産」と言われるように、積極的に高いリターンを目指す資産ですが、値動きが大きい資産を老後に持ち続けることはリスクにつながりやすいです。
NISAやiDeCoは運用を続けて寿命を伸ばす
たとえば市場が大きく下がった際、若い時と違って回復を待つ余裕がない可能性もあります。また、資産売却時には判断力の低下も考えられるため、場合によっては、利益が出ているうちにサテライト資産から取り崩していき、安全資産に切り替えておくといいでしょう。
ただ、毎月10万円をサテライト資産から取り崩そうと決めた場合にも、今のように世界情勢が揺れ動くタイミングでは、暴落局面も十分ありえます。そのようにパフォーマンスが下がってしまったタイミングには現金から取り崩す、といったかたちでフレキシブルに対応する必要もあるでしょう。そのためにも、最後の砦として「安全資産」の存在が重要になるのです。
iDeCoやNISAといった非課税で受け取れるコア資産については後々まで取り崩さず、運用を続けて資産寿命を伸ばしていくのがベストです(iDeCoの受け取りは75歳までに開始する必要がある)。
たとえば資産が3000万円あった場合、仮に年利4%で運用することができ、毎月4%以内の金額を使った場合(月10万円)、資産を減らさずに済むという試算があります。なにもせずに毎月15万円使った場合、16年8カ月で資産がゼロになってしまうことを考えれば、少しでもお金を育てながら取り崩す方が、資産が長持ちする可能性が高いです。

