人間中心の設計思想でリスクを摘む

マツダはHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース、人と機械の接点の設計)に人間中心の設計思想を据え、不注意運転(漫然運転)を招く3つのリスク要因(認知的注意散漫・視覚的注意散漫・手動的注意散漫)を最小化するようコックピットを造り込んできた――と説明する。

具体的には、スイッチの位置や操作方法を確認するなど、運転そのもの以外へ意識が逸れる状態を避ける。情報を読み取るために路面から目を離す瞬間を低減する。操作機器に手を伸ばす際に体を大きく動かし、無理な姿勢を強いられる状況を抑制する、などの取り組みだ。

マツダがこの思想を最初に具現化したのが、CX-60である。車両情報やナビを映し出すADD(アクティブ・ドライビング・ディスプレイ、運転に必要な情報を視線移動の少ない位置に投影する表示装置)の表示面積を大きく拡張し、後続のラージ商品群(CX-60以降に投入された大型車群)では、実に従来比3倍にまで広げている。

CX-60
画像提供=マツダ
CX-60

マツダUSAは今年2月、CRが最高評価に必要とする要件、すなわちIIHS側面衝突試験での好成績、中等クラスのオーバーラップ前面衝突保護における高評価、高速域での歩行者検知付き自動緊急ブレーキ、ブラインドスポット警告と後方クロストラフィック警告の標準装備、予測可能で信頼できるハンドリングについて、マツダにとっては「目新しい基準ではなく、長年にわたり我々の安全戦略を導いてきた原則」であったと表明した。

協会トップ「安全性で卓越し続けている」

マツダは世界各地で高い評価を得ている。NCAP(New Car Assessment Program、自動車アセスメント)の日本版「JNCAP」で、CX-80は2024年度に5つ星を獲得。米USNCAP(米運輸省の同種制度)では対象5車種すべてで最上位評価を勝ち取った。欧州のユーロNCAPと豪NZ共催のANCAPでも、CX-80で5つ星を得ている。

マツダUSAによると、同社はIIHSの「トップセーフティピック+」2026年版を、8モデルで受賞。単一ブランドとして最多の受賞数となった。最高評価で首位を獲ったのは、これで3年連続となる。2008年以降の累計では、IIHS Top Safety賞99回、うちTSP+は73回と、実績を重ねる。

この結果にはIIHS自身も注目したようだ。協会のデイビッド・ハーキー会長は、「マツダは今年も8車種がIIHSトップセーフティピック+に選ばれ、安全性で卓越し続けている」と述べた。さらに彼は、高価格帯の車種だけに安全装備を限定していない点にも踏み込み、「消費者に対し、幅広い価格帯で最高水準の安全装備を提供している」と評価している。