ぐっすり寝ることが脳と腸を若返らせる

メラトニンの強い抗酸化作用は、活性酸素を無害化して細胞を守り、体の酸化を防ぐことで、老化を遅らせる働きがあります。活性酸素は腸内細菌を減らす大きな要因のひとつですが、メラトニンはその抗酸化作用によって腸内環境を守り、結果的に認知症のリスクを下げていると考えられます。

さらに、メラトニンはアルツハイマー型認知症の原因物質であるアミロイドβやタウたんぱく質の凝集を防ぎ、神経細胞へのダメージを減らす作用も持っています。私たちの研究グループの実験では、メラトニンが脳内のスカベンジャー細胞「ミクログリア」(おそうじ役の細胞です)を活性化させ、アミロイドβを分解・排出する働きを高めることが確認されました。

また、メラトニンには、糖化ストレス(AGEs)を分解し、脳を糖化から守る作用があることも明らかになっています。つまり、メラトニンは「酸化」と「糖化」――この2つの老化要因から脳を守っているのです。