日本を守る「意思と仕組み」が重要
特に重要なのは、日米同盟を「最後の保険」にしないことだ。同盟国が助けてくれるかどうか以前に、日本がどの海域を重視し、どの行動を危険な既成事実化とみなし、どの能力を優先して整えるのかを示さなければならない。自分で守る意思と仕組みを見せることが、同盟の信頼性を高める。
抑止の本質は、これ以上踏み込めば利益より損失が大きくなる、と相手に理解させることにある。その意味で「遼寧」の約170回の発着艦は、日本への問いである。日本は見るだけの国で終わるのか。それとも、見て、知らせ、備え、仲間と動く国になるのか。
危険なのは、中国空母が訓練を繰り返していることではなく、それが当たり前の風景になり、日本社会が「またか」と受け流すことである。沖ノ鳥島南西から宮古島南方・南西にかけて起きたことは、日本の安全保障に直接関わるものだと考えるべきだ。
戦争の前段階を平時のうちに見抜き、塞ぐ力を日本が持てるかどうかを試す、きわめて現実的な試験紙なのである。

